マーケティングの順序は”販売”から
一般的には”商品”から考えることが多いと思います。
「どんな商品が売れるのか」
「どういうものを売り出せばお客さんが集まるのか」
という視点で商品を考案していくのではないでしょうか。
つまり、売るための商品、売れるための商品、お客さんが集まる商品をまず考えます。
商品が流通する流れとして、『商品→集客→販売』という順番です。であれば、商品づくりから始めることが最初の第一歩である。
・・・と考える人はちょっと待ってください。
実はこれ、順序が逆なんです。
厳密には、流通の流れとしては正しいですが、マーケティング思考としては逆なんです。
商品は売れないと意味がない
最終的にお客さんからお金をいただかない限り売上になりません。ということは、あなたの収入が発生しないということです。
つまり、”販売”できないと意味がないということです。
だから、「売れそうな商品を作るんだ」という考えになりそうですが、その「売れそう」と考えるのは誰ですか?お客さんは「売れそうだから買う」とは考えないですよね?それが欲しいから買う、それがないと困るから買うのではないですか?
また、「欲しいと思っている人がいるはず」と考えるのも違います。もちろん、そういう人はいるでしょう。ですが、どこかにはいると思うけど、どこにいるかわからない人を対象にするのも、ずいぶんと遠回りだと思いませんか?
つまり、「お客さんが欲しているモノやサービスは何か」という視点をもって商品づくりをしなければならないということになります。そのためには、お客さんの心理(顧客心理)を理解する必要があります。
お客さんが求めているものとは
お客さんが商品を購入する背景には、ベネフィット(利益)というものが存在します。
お客さんは商品そのものが欲しいわけではないんです。
もちろん商品が欲しくないわけではないのですが、それよりもその商品を手に入れた後、「自身の生活に満足感が得られそう」とか「不安を解消できそう」と想像するから買うんです。
例えば、車の購入を考えてみてください。
ミニバンを買いたいと思っている夫婦とお子さんが2人いる4人家族の背景には何があると思いますか?車をただの移動手段とするなら、軽自動車でもいいと思いませんか?その方が車は安いし、燃費もいいし、小回りも効くし、4人なら乗れますよね。
「広々と解放感にあふれて、家族でいろんなところへドライブして、楽しい充実した休日を過ごしたい」
「今の車じゃ窮屈だし、買い物もたくさんしたいから大きい車がいい」
など、新しい車を買ったあとのよりよい生活を想像するから欲しいのでは?と思いませんか。
簡単に言えば、その商品を手に入れた場合に獲得できる理想の生活像や利便性をお客さんは求めているということになります。
購買行動には必ず感情が伴う
さらに、モノを買うという行動をとるとき、必ず感情が働きます。
「欲しい」と思った裏には、大小関わらず何らかの必要性があって、実際に買う場合には何らかの感情によって行動を起こしているということになります。
「トイレットペーパーがなくなった。ないと困る。買いに行かなきゃ。」
「タバコがきれた。どこかにコンビニないかな。ついでに飲み物も買っておこう。」
「そろそろ車ほしいなぁ。あれぐらいの車があればもっと快適に出かけられそう。ちょっと車屋さんいってみるか。」
人が欲しいと思うものには大きくわけて2種類あると考えています。
- ないと困るもの(必要なもの)
- ないと困るわけではないが、あればよりよい生活が手に入りそうなもの(欲しいもの)
「ないと困るもの」ですよね。今すぐ必要だと考えるモノです。それらは日用品や食品など比較的安価な商品に多いイメージですが、高額商品でもあります。
つまり、お客さんに「今すぐ必要だ」と思ってもらえる商品であれば、金額に関わらず購入に至る行動を起こしてくれる可能性が高くなります。そして、その行動の裏側には必ず感情が伴っているんです。
ここが顧客心理というところであり、顧客心理を理解していれば”販売しやすい商品”を作ることが可能になるし、それを求めるお客さんを集めやすくなるということになるんです。
まとめ
マーケティングにおいては、まずは販売するための顧客心理を理解することが重要となります。
そこがわからなければ、どういう商品が売れるのかがわからずに、自分で勝手に「売れそう」と考える商品を作ってしまう可能性があります。
せっかく時間もお金もかけて商品を作ったのに売れなければ、もったいないですよね。
なので、
「お客さんが何を求めているのか」
「なぜその商品を買うのか」
「その行動の裏側にはどんな感情が働いているのか」
を理解することが大切です。それらを理解することができれば、商品をつくりやすくなるだけではなく、集客もしやすくなります。したがって、WEBマーケティングを始めるにあたってまず取り組むべきことは、顧客心理を理解することと言えます。